03-3511-8550 第２回
弁護士法人カイロス総合法律事務所の時事問題、質疑応答コーナー （本質疑応答の文責は、弁護士法人カイロス総合法律事務所代表弁護田邊勝己にあります。）
今回は引き続き、日産自動車カルロス・ゴーン元会長が保釈中に逃亡したニュースについて聞いて行きます。
ゴーン被告人を日本に連れ戻すことはできるのでしょうか。
国際刑事警察インターポールを通じてレバノン政府に犯人引き渡しを求めていると聞いていますが、すぐには無理かも知れません。 しかし、どんな国でも逃亡を正当化する論理はないはずですし、粘り強く交渉すべきですね。日本政府も検察庁も奥の手を考えていると思います。
日本がワンチームで犯人引き渡しを求めるべきでしょうか。
そうですね。検察庁だけでなく、日本政府が外務省や関係国際機関のあらゆる力を駆使して日本での裁判を受けさせるために、もっと積極的に努力すべきですね。日本弁護士連合会もゴーン被告人をしっかり批判し、司法制度を守るために日本国に協力すべきです。
日本はレバノンに多額の援助をしているらしいですが、これの打ち切りを交渉カードに使うのはどうでしょうか。
それも有効ですね。とにかく、逃亡者を野放しにはできないし、まして、全く根拠なく日本の司法制度まで馬鹿げた批判をしているのですから、国家としての威信の問題です。日本文化に対する冒涜です。あらゆる措置を講じるべきでしょうね。
今後ゴーン被告人の裁判はどうなるのですか。
検察は起訴を取り下げないでしょうし、外国に逃亡した場合、時効も進行しませんから、一生かかっても追いかけ続けることになるでしょう。その間、裁判は進行しないということになります。
ゴーン被告人は検察から有力が証拠を突きつけられても否認したそうですね。刑事事件で否認することはどのような意味がありますか。
否認するというのは刑事事件の法律用語であり、検察官の疑っている事実を認めないという意味であり、否認することにより裁判で争うという意味があります。
最近の刑事弁護では、とにかく何でもかんでも否認して、裁判になってから歩が悪いとなったら認めればいいという弁護方針をとる弁護士が多いですし、弁護士会も経験のない若い弁護士にそのように指導していると聞きましたが、どうですか。
残念ながら、一部の弁護士がそのように指導しています。国家権力に何でもかんでも反対するというイデオロギー的思想ですが、依頼者そっちのけですよね。
依頼者そっちのけというのはどういう意味でしょうか。
動かぬ証拠があるのに、否認したら被害者は怒りますよね。裁判官も全く反省していない悪い奴と思いますよね。その結果、刑が重くなります。しかも、無意味に否認すれば裁判が始まるまでの時間もかかりますし、裁判になってからも無駄な時間をかけることになります。それは依頼者の利益になりませんよね。その分、お金もかかります。
怖いですね。刑事事件になった人が頼れるのは弁護士だけなのに政治的信条で弁護されたらたまりませんね。
うですね。その意味でも刑事事件の本当の専門家に依頼すべきです。
日本は左翼系統の弁護士が多いと聞いていますが本当ですか。
事実です。思想信条の自由があり、表現の自由があるので、左翼でも右翼でもいいのですが、事件処理に思想を持ち込むのは反対です。